親の介護が必要になったら、その費用っていくらくらいかかるの?どんな費用があるの?

親の介護

親の介護にかかる経済的な負担は、主に以下のような費用が発生します。これらを事前に把握し、計画的に対策を立てることが重要です。


1. 介護費用の主な内訳

① 在宅介護にかかる費用

自宅で介護する場合の主な費用は以下のとおりです。

  • 介護サービス費(介護保険適用)

    • 訪問介護(ヘルパー派遣):月1万~5万円程度(自己負担1~3割)
    • デイサービス(通所介護):月2万~6万円程度(自己負担1~3割)
    • 訪問看護・リハビリ:月1万~3万円程度(自己負担1~3割)
  • 自費サービス

    • 介護保険外の家事代行サービス:1時間2,000~5,000円
    • 民間の訪問介護・リハビリ:月5万円以上かかることも
  • 介護用品・住宅改修

    • 車いす・介護ベッド:数万円~数十万円(レンタル可)
    • 紙おむつや衛生用品:月5,000円~1万円
    • 住宅改修(手すり設置・段差解消など):10万~50万円(介護保険の補助あり)

② 施設介護にかかる費用

施設に入居する場合は、種類によって費用が大きく異なります。

  • 特別養護老人ホーム(特養)

    • 費用:月5万~15万円(食費・居住費含む)
    • 介護度の高い人が対象、待機者が多い
  • 介護付き有料老人ホーム

    • 費用:入居一時金100万~1,000万円、月額15万~30万円
    • 24時間の介護サービス付き
  • グループホーム

    • 費用:月額15万~25万円
    • 認知症の高齢者が少人数で生活する施設
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

    • 費用:月額10万~30万円(食費・介護サービス別)
    • 自立~要介護の人が利用できる賃貸住宅

③ 医療費

  • 高齢になると病院にかかる頻度が増え、医療費もかさむ
  • 介護と医療を併用する場合、月数万円の出費が必要

2. 介護費用を軽減する方法

① 介護保険の活用

  • 自己負担額は原則1~3割(所得による)
  • 要介護認定を受けると、介護サービスを安く利用可能
  • 住宅改修や福祉用具の購入にも補助あり

② 高額介護サービス費制度

  • 自己負担額の上限があり、超えた分は払い戻し
  • 上限額は月額15,000円~44,000円(所得による)

③ 高額療養費制度

  • 医療費が一定額を超えた場合、払い戻しを受けられる

④ 介護費用の税控除

  • 医療費控除:紙おむつ代・訪問看護費などが対象
  • 障害者控除:認知症や重度介護が必要な場合適用

⑤ 補助金・助成制度の活用

  • 自治体ごとの介護費用助成制度(介護タクシー補助など)
  • 生活保護受給者は介護費用の自己負担なし

3. 介護費用をまかなう方法

① 親の年金を活用

  • 平均年金額:月10万~20万円
  • 年金だけで施設入居費用をカバーできない場合も多い

② 介護保険(民間)

  • 介護状態になると一時金や年金が支給される
  • 若いうちから加入しておくと安心

③ 親の資産の活用

  • **自宅を売却(リバースモーゲージ(注1)**して介護費用に充てる
    (注1)リバースモーゲージとは、高齢者が自宅を担保にお金を借り、毎月または一括で受け取れる制度です。借入中も自宅に住み続けることができ、返済は本人が亡くなった後に家を売却して行います。主に地方銀行や公的機関が提供し、資金用途は介護費用や生活費に利用可能です。ただし、担保評価や金利変動のリスクがあるため、慎重な検討が必要です。家を残したい場合は向かないので、家族とよく相談しましょう。
  • 生命保険の解約・見直し

④ 兄弟姉妹で分担

  • 介護費用の負担を分けることで経済的な負担を軽減

4. 介護費用の負担を軽減するために今できること

  • 早めに親と話し合う(希望する介護の形を確認)
  • 公的制度を把握する(介護保険・助成制度)
  • 民間の介護保険を検討(貯金が少ない場合)
  • 資産の整理・運用を考える(不動産・年金・貯金の活用)
  • 仕事と介護の両立を考える(介護休業制度の活用)

まとめ

介護には大きな経済的負担がかかりますが、公的制度の活用や事前準備によって負担を軽減できます。親が元気なうちに話し合い、計画的に備えることが重要です。

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